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#コラム 2026.08.06 THU

しろくまきもの誕生物語 第二章|「結ぶ帯」から「装着する帯」へ

しろくまきもの誕生物語 第二章|「結ぶ帯」から「装着する帯」へ

帯は、着物の顔だ

着物において、帯は単なる留め具ではありません。正面から目に入る最も大きな装飾であり、着こなしの印象を大きく左右するものです。どれだけ着物が美しくても、帯が崩れていたり、不自然に見えたりすれば、その一着の価値は半減してしまう。

一方で、従来の帯は複雑な結び方を必要とします。着付けの経験がない方が一人で美しく仕上げることは、ほとんど不可能に近い。帯だけ専門のスタッフに頼むとなれば、「一人で着られる」というコンセプトそのものが崩れてしまいます。

「帯の問題を解決しなければ、本当の意味で5分では着られない」

開発者はそう考え、帯の構造そのものを見直すことを決めました。

「結ぶ」をやめ、「装着する」へ

開発で目指したのは、背中に大きなふくらみをつくらず、胴まわりへの締め付けを抑えた構造です。さらに、着付けの知識や経験がない方でも、一人で簡単に着脱できることを重要な条件としました。

そこで生まれたのが、帯を複雑に結ぶ従来の方法を根本から見直した「帯ベルト」という発想です。腰にぐるりと巻き、面ファスナーで留めるだけ。複雑な結び方を覚える必要がなく、初めて着物を着る方でも迷わず装着できます。

しかしここで、新たな壁にぶつかりました。

帯ベルト単体では、着る方のウエストサイズに合わせて複数のサイズを用意しなければならない。サイズ展開が増えれば、在庫管理も製造コストも膨らんでいきます。「できるだけ少ないサイズで、より多くの方に着用していただける方法はないか」

その問いに対する答えが、伸縮性のある「アタッチメント」でした。

帯ベルトとアタッチメントを組み合わせることで、対応できるウエスト寸法を単体よりも約20センチ広げることができます。体型に合わせてアタッチメントが伸縮するため、一つの帯ベルトで幅広い体型の方に対応できるようになりました。

見えないところに、こだわりが宿る

面ファスナーやアタッチメントの接続部分は、帯飾りの裏に隠れる設計になっています。正面から見たとき、それらの存在はまったく見えない。正絹の帯が持つ光沢や柄の美しさを損なうことなく、着脱のしやすさ、快適性、幅広いサイズへの対応を同時に実現しています。

「見えないところに手を抜かない」それは、しろくまきものが正絹アンティーク着物に向き合うときの姿勢そのものです。どれだけ機能性を高めても、着物としての品格を失うことは許されない。その緊張感が、帯ひとつの設計にも貫かれています。

一見すると着用が難しそうな帯を、「結ぶもの」から「装着するもの」へ。さらに、着る方の体型に合わせて柔軟に調整できるものへ。発想をひとつずつ丁寧に見直すことで、初めて着物を着る方にも扱いやすい、新しい帯のかたちが生まれました。

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帯の課題を乗り越えたことで、「5分で着られる」というコンセプトはより確かなものになっていきました。しかし開発はここで終わりません。次に私たちが向き合ったのは、「着たくても着られない」という、サイズという壁でした。

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